コンポジット

惑星を写す場合コンポジットと言う手法を用いると綺麗に撮れる（というか合成）のは知っていたのですが、Macで良いものが見つかりませんでした。　今回やっと何とかできる様になったので使ってみました。　使ったソフトはLynkeosと言うものです。

以前にも使った事が有るのですが、MacosXのCatalinaではうまくいきませんでした。　入力ファイルがjpegだとダメな様です。　tiffに変換してから読み込んだらうまくいきました。

そこでMacのPreviewでjpegをtiffに一括変換しようと思ったのですが、これがなぜかtiffにアルファチャンネルが付いてしまってうまくいきません。

そこで、Automatorを使用することにしました。

Automatorの「イメージのタイプを変更」と言う機能を使えばjpegをtiffに変換してくれてアルファチャンネルは付加されません。　もともとjpegにはアルファチャンネルなどありませんから当然です。　変換するファイルを複数選択してAutomatorで作成された.appにドラッグすれば一括して変換してくれます。

画像のコンポジットは、複数連写した画像を一枚の画像に合成してノイズや大気の揺らぎを減らす効果があります。　Lynkeosでは複数の画像の位置合わせの機能がありますが、現状では回転には対応していない様です。　平行移動だけでもせいぜい数秒間の連写なら問題ないと思います。　合成の方法は何種類か有りますが平均値を求める方法(Standard)が一番良い様なのでそれを使用しました。

夜は何かと面倒なのでとりあえず昼間の画像でテストします。　気温が高いので遠景は大気が揺らいでこんな風に写ってしまいます。（中央部を拡大しています）　何十枚か連写したものを連結して動画にしたものがこちら。

ダウンロードは🎥こちら

QuickTime Playerで「イメージシーケンスを開く」でフォルダーを指定するとjpegを動画で読み込んでくれます。　それを出力してから今度はiMovieで動画の一部を切り出しています。

さて、コンポジットの結果です。　見事に直線が真っ直ぐになりました。　コンポジットしただけでは解像感が失われてしまいますのでアンシャープやらウェーブレット変換などを利用して解像度を上げてあります。　ISO200でシャッター速度1/500秒の場合とISO1600でシャッター速度1/4000秒の場合を比べてみるとISO200の方が成績が良かったのでコンポジットではなるべくISOを小さくして使うのが良さそうです。　（夜空では変わるかも知れませんが）

明るく光る星が有ったので写してみました。　撮った時には星雲かと思ったのですが、恒星でした。　琴座のベガだと思います。　恒星ではコンポジットしても点になるだけですが一応やってみましょう。

結果は、点になっていません。　PROMINAR 850mmのせいでもピンボケのせいでもないでしょう。　おそらく薄雲がかかっていたんだと思います。　シーイングはかなり悪い感じです。

 

次は木星です。　左が今回のもの、右が数日前のものです。　今回のものはOMD E-M1でデジタルテレコンにして撮りました。　またどちらもコンポジットの段階で2倍のサイズにしています。　縞の傾きが違うのは左の写真は東南の位置（ベランダ）で、右は南西の位置（玄関）で撮ったからだと思います。　本当は南に来た時に撮るのが良いのですが、家からは見えないんですよね。

 

次は土星です。　やはり昨日はかなりシーイングが悪かった様です。　コンポジットに含める画像を1枚1枚選択したし、時間も遅い時間に撮ったのですが、それでも昨日のはちょっと揺らぎがひどい。　もう少し気温と湿度が下がらないとこれ以上は難しそうですね。

P1000で撮ったISSや土星を見ましたがこれよりも良いんですよね。　換算3000mmと1700mmの差が有るとは言え、センサーサイズがだいぶ違うので条件の良い日にまたチャレンジしてみます。

コメント 2

条件が揃えばきれいに補正されるのですね!?
こういうのは大型コンピュータの世界かと思っていました。
by Mitch (2020-08-15 18:23) 

▶Mitch さん
今のコンピューターの処理能力は凄いですからね。
純粋に計算だけやらせたら、昔の超大型を超えています。
by まっちゃん (2020-08-16 14:54)